コラム
Column
その他
総裁選後の株価高騰を読み解く|新政権がもたらす市場と不動産への影響
2025.10.17

1. 序章:総裁選と市場の関係
2025年秋、日本政治は大きな転換点を迎えました。石破首相の辞任を受けて行われた自民党総裁選では、高市早苗氏が新総裁に選出されました。
選挙期間中から高まっていた政策期待は市場に反映され、日経平均株価は史上最高値を更新。発表翌日には一時4万3,800円台を突破し、投資家心理の改善とともに外国人資金の流入が加速しました。
歴史的にも政権交代や総裁選は株価上昇のきっかけになりやすく、今回も例外ではありません。市場は次期政権が掲げる経済政策と財政出動の規模に注目しています。
2. 市場が好感した要因:政策期待と円安追い風
株価高騰の背景には、単なる政局イベントを超える複数の要素があります。
まず、候補者たちが掲げていた積極財政・減税・公的投資の拡大といった政策は、景気刺激策として市場に強い安心感を与えました。
また、為替市場で続く円安トレンドが輸出企業の業績見通しを押し上げたことで、外国人投資家による日本株買いが勢いを増しています。
特に高市新総裁が掲げた「金融緩和の継続」「所得支援」「現金給付」といったスタンスは、市場に“アベノミクス回帰”の印象を与え、株価をさらに押し上げました。
3. 総裁選で注目された政策比較と市場の反応(2025年9月時点)
候補者 | 主な政策・注目ポイント | 市場の評価 |
---|---|---|
小泉進次郎 | 賃上げ促進、環境・若者投資、 政府・日銀の協調強化 | 改革色は評価されるが、 短期の経済効果に疑問 |
高市早苗 | 積極財政、減税、 現金給付、金融緩和継続 | 即効性が高いとされ、 市場が最も好感 |
林芳正 | 外交・安全保障重視、 政策の安定性 | 政治的安心感はあるが、 経済刺激に弱い印象 |
小林鷹之 | 経済安全保障・ 科学技術・地方分散 | 長期的成長視点で好印象 |
茂木敏充 | 財政規律と規制改革 の両立 | 安定志向だが短期刺激策 に欠ける |
結果的に、市場は「即効性のある景気対策」を重視し、高市氏の政策路線を最も支持しました。
4. 株価上昇の裏側:期待先行リスクと冷静な視点
総裁選後の株価高騰は明るい材料ではあるものの、“期待先行”の動きには注意が必要です。
仮に政策実行が遅れれば、市場の熱気が一転して調整局面に入る可能性もあります。
また、拡張的な財政政策が長期金利を押し上げる懸念も残っています。
これまでの日本株上昇局面でも、政治的転換点では一時的な上昇のあとに調整を挟むケースが多く、投資家には「短期的な勢いと中長期的な持続力を見極める視点」が求められます。
5. 投資家が取るべきアクション
投資スタンス | 戦略 | 注目セクター |
---|---|---|
短期戦略 | 政権発足直後の市場反応を活かし、 インフラ・建設・輸出関連株でイベントドリブン投資 | 建設、機械、 輸出関連 |
中長期戦略 | 政策実行フェーズで成長性を確認し、 再エネ・物流・不動産・金融を中心に分散投資 | 不動産、インフラ、 再エネ、金融 |
投資家は、総裁選後の一時的な株高に乗るよりも、政策実行のスピードと市場反応を観察しながら中長期的な視点で戦略を立てるべきです。
6. 不動産市場への波及効果
株高と積極財政の期待は、不動産市場にも確実に波及しています。
政府によるインフラ投資や都市再開発が加速すれば、地価の底堅さが維持され、賃貸需要の増加も見込まれます。
GENESISが展開する都心マンションや人気郊外エリアの物件は、こうした経済刺激策の恩恵を最も受けやすい領域です。
特に「低金利+都市再開発+人口流入エリア」という三拍子がそろった地域では、長期的な資産価値の上昇が期待できます。
7. まとめ
総裁選後の株価高騰は、単なるイベント反応ではなく「政策期待」と「市場心理」の融合によるものです。
しかし、真に問われるのは新政権の実行力とスピード感。
投資家は短期的な相場の熱気に流されず、政策が現実化する過程を見据えた戦略的資産運用を心がけることが重要です。
そして、株式だけでなく実物資産である不動産をポートフォリオに組み込むことで、政治や市場変動に左右されにくい“安定的な成長”を実現できるでしょう。
GENESISは、今後も変化する経済環境の中で、投資家一人ひとりの資産形成を長期的視点から支援していきます。